福井県医師会長からの挨拶
最終更新日:2023.01.04
福井県医師会長
池端 幸彦
1955年4月18日生
新年明けましておめでとうございます。
「ようやくコロナも収束し…」と書き始めたかった新年のご挨拶は、今年も残念ながら叶いませんでした。しかし足かけ3年目に入った新型コロナウイルス感染症も、感染者数こそ高止まりを見せているものの、ここへ来てようやく少し出口もみえてきたような印象もあります。
思い返せば、2020年2月ダイヤモンド・プリンセス号での感染に端を発した我が国の新型コロナウイルス感染症は瞬く間に全国に拡がり、当県も同年3月18日に第1例が発生し、期せずして私の県医師会長としてのコロナ対策対応が始まりました。よもやそれがその後3年以上にも亘って続くことになるとは、当時は夢にも思いませんでしたが…。しかし役員はもとより急性期、回復期、慢性期の各病院のご協力、そして何より多くの県医師会会員の先生方のご協力と県当局との強い連携により、第1波とともに開設した県医師会PCR 検査センター、連日開催された県とのワーキング会議、入院コーディネートセンターの立ち上げ、全国に先駆けて開設した宿泊療養施設や臨時入院施設等は、後に「初期福井モデル」として全国的にも注目を集めることになりました。更に昨年後半の第7波における感染爆発に対応した県内診療・検査医療機関数は、内科・小児科外来を有する医療機関の実に8割強に達し、県内の半数の病院で感染者入院受入を開始、更には往診も含めた自宅での健康観察等への対応の拡充等、県民の命と健康を守り抜こうと一致団結していただいた各会員を始め多くの医療従事者の方々へ、改めて心から感謝申し上げたいと思います。私自身もこのパンデミックへの対応から、医師会長として、1医師として、いや1人の人間として、多くのことを学ばせて頂いた様な気がしております。
これらの経験を生かす意味でも、今年こそはウィズコロナ、ポストコロナに向けた対応をしていく1年になる事を願って止みません。そしてその大きな柱の一つが、「かかりつけ医機能の制度化」に向けた対応です。既に国の審議会等でも法制化も含めた多くの議論がなされていますが、私は決して国民、県民が求める「かかりつけ医」とは、法制化の下に契約する事ではなく、ましてや英国のGP 制度のような人頭割でもなく、まさしく県内のコロナ禍で実施された病病・病診連携による「かかりつけ医機能」の充実そのものであると考えています。そしてその一環として県医師会在宅ケアサポートセンターで取り組んでまいりました「福井県版エンディングノート」も、近々各会員のお手元にお届けできる予定ですので、是非ご活用頂きたいと思います。
また本年は、薬価中間年改定を皮切りに2024年度診療報酬・介護報酬同時改定の本格的議論が始まる年でもあり、私も中医協委員、日医理事としても不退転の決意で臨む所存です。更に医師の働き方改革の推進や、オンライン資格確認の原則義務化、電子処方箋の運用開始等、医療界のデジタルトランスフォーメーション(DX)への対応等、目白押しの重要案件に対しても県医師会役員一同、気を引き締めて対応してまいりたいと思います。
最後になりましたが、あらためて県医師会役員一同はもとより、各郡市区医師会、更には県医師信用組合、県医師協同組合、県医師国保組合等の会館内関連団体とも一致協力のもと、県民のため会員のための県医師会活動に邁進する覚悟ですので、本年もまた会員の皆様の絶大なるご支援を心よりお願い申し上げます。そして今年こそは新型コロナウイルス感染症の完全終息が叶い、会員各位が益々ご健勝でご活躍の上、幸多き一年になりますことを心よりご祈念申し上げて、新年のご挨拶とさせて頂きます。
【キャッチフレーズ】
Act Now for the Future 〜未来のための今〜
【基本方針】
県民のための県医師会へのチェンジ
【5つの活動指針ver.2】
1.組織の効率化・活性化
2.郡市区医師会との連携強化
3.県及び県内医療関連団体・組織等との連携強化
4.災害対策本部設置と機能強化
5.広報活動・医政活動の充実
令和5年1月1日
一般社団法人 福井県医師会 会長
池端 幸彦
学歴
昭和43年3月 | 福井大学教育学部(現・教育地域科学部)附属小学校 卒業 |
---|---|
昭和46年3月 | 同 附属中学校 卒業 |
昭和49年3月 | 慶應義塾高等学校 卒業 |
昭和55年8月 | 慶應義塾大学医学部 卒業 |
学位・免許・資格
昭和55年11月 | 医師免許 |
---|---|
昭和61年11月 | 日本外科学会認定医 |
平成02年6月 | 日本消化器外科学会認定医 |
平成04年10月 | 日本医師会認定産業医 |
平成06年1月 | 日本医師会認定健康スポーツ医 |
平成13年3月 | 介護支援専門員 |
職歴
昭和55年9月 | 慶應義塾大学医学部外科学教室 入局 |
---|---|
昭和56年5月 | 浜松赤十字病院外科 勤務 |
昭和57年6月 | 国立霞ヶ浦病院外科 勤務 |
昭和58年7月 | 慶應義塾大学病院 一般消化器外科 勤務 |
昭和61年5月 | 池端病院 副院長 |
平成01年4月 | 池端病院 院長(~現在) |
平成09年8月 | 医療法人池慶会 理事長(~現在) |
平成20年5月 | 社会福祉法人雛岳園 理事長(~現在) |
学会並びに社会における活動等
(県内)
平成12年4月 | 福井県国保連合会 介護給付費審査委員会会長(〜令和2年3月31日) |
---|---|
平成13年7月 | 福井大学医学部 臨床教授(~現在) |
平成13年10月 | 福井県慢性期医療協会 会長(~現在) |
平成17年4月 | 福井県医師会 介護保険担当理事(~平成27年6月) |
平成17年5月 | 福井県訪問看護推進協議会 会長(~令和元年6月) |
平成20年4月 | 福井県地域包括・在宅介護支援センター協議会 会長(~平成26年5月) |
平成20年5月 | 福井県介護支援専門員協会 会長(~平成27年5月) |
平成23年5月 | 福井県医師会 副会長(~令和元年6月) |
令和元年6月 | 福井県医師会 会長(~現在) |
令和元年6月 | 福井県医療審議会 会長(~現在) |
(県外)
平成23年5月 | 日本医師会 代議員(~令和4年6月) |
---|---|
平成24年6月 | 日本慢性期医療協会副会長・事務局長(~現在) |
平成28年8月 | 厚労省 在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ構成員(~令和3年6月) |
平成29年4月 | 厚労省 高齢者医薬品適正使用検討会 構成員(~現在) |
平成29年4月 | 日本病院団体協議会 診療報酬実務者会議 委員長(~令和2年8月) |
平成30年7月 | 社会保障審議会 医療保険部会 構成員(~現在) |
令和02年8月 | 日本医師会 地域包括ケア推進委員会 委員長(~現在) |
令和02年8月 | 中央社会保険医療協議会(中医協)委員(~現在) |
令和04年6月 | 日本医師会 理事(~現在) |