福井県医師会長からの挨拶
最終更新日:2023.07.15
福井県医師会長
池端 幸彦
1955年4月18日生
令和5年6月18日、第258回福井県医師会定例代議員会において、3期目の福井県医師会会長にご選任頂きましたこと、まずもって心より御礼申し上げます。振り返りますと、令和元年6月、福井県医師会長に初めてご選任頂き、「県民そして会員のための県医師会へのチェンジ」を基本方針とし、5つの活動の柱を掲げて会務に邁進するつもりでしたが、ご承知の通り令和元年12月中国湖北省武漢市から始まったCOVID-19は瞬く間に世界中に拡散し、県内においても、令和2年3月18日の第1例発生後、一時は医療崩壊も危惧される状況にまで至りました。私自身、よもや会長職就任1年目にして、このようなパンデミックの陣頭指揮を迫られる事になり、しかもそれが3年半以上にわたって続く事になるとは夢にも思いませんでした。しかしこれも天命と覚悟を決め、とにかくその場その場で今自分に出来ることを精一杯頑張ってきたつもりです。そして全ての県医師会員、県民の皆様方等の絶大なるご協力もあり、本年5月8日に2類相当から5類に移行し、ようやく少しずつ日常が戻りつつあることは素直に喜びたいと思います。そしてここで改めて、県当局をはじめ関係各位のこれまでのご支援ご協力に心から感謝申し上げたいと思います。
さて3期目の役員体制につきましては、まず福井市・安川病院院長の安川繁博先生、鯖江市・広瀬病院院長の広瀬真紀先生、そして福井大学医学部附属病院長の大嶋勇成先生の3名には引き続き副会長としてご就任頂きました。また各郡市区医師会からは、会長推薦枠2名の女性理事、7名の新任の先生方を含む大変有能な22名の理事、2名の監事の先生方をご選任頂きましたこと、大変心強く感じており深く感謝申し上げます。
まず3期目に当たってのキャッチフレーズは、1期目、2期目同様「Act Now for the Future ~未来のための今~」としました。これは私の座右の銘でもありますが、未来というのは1時間後も未来ですし、明日も未来、1週間後、1ヶ月後、1年後、10年後も50年後も未来ですので、それぞれの未来をみながら今何をすべきかを常に考え、未来志向型の会務運営が出来ればと思っております。
基本方針については、前期は「県民のための県医師会へのチェンジ」でしたが、手前味噌かもしれませんが、コロナ禍の対策等を通じて、県民の皆様にも「県民のための県医師会」を少しずつですが感じて頂けたのではないかと自負しております。そこでもう少しコロナ後を見据えた形で何が出来るか、何をすべきかを考えた結果、今期は「県民のいのちと暮らしと尊厳をまもる県医師会~ダイバーシティ・マネジメントをめざして~」としました。先ず生命をまもり、生活を支えること、そして尊厳ある人生を全うして頂くということを意識して、「尊厳」という言葉を付けさせていただきました。また副題としての「ダイバーシティ・マネジメント」は、企業の方が最近時々使われる言葉です。「ダイバーシティ」いわゆる多様性ということですが、ご承知のとおり最近国会を通った法案として、認知症基本法、LGBT理解増進法があります。そういった多様な社会、多様な方々を如何にインクルージョン、包含・包摂して暮らしていけるかを医師会としても考えたいということで、「ダイバーシティ」という言葉を使わせていただきました。多様性には色々な意味があり、性差、年齢差、国籍、障がいの有無等もあるでしょう。色々な差、多様性を受入れる心を持つことに対して、医師会としてもしっかりと目を向け理解していく事を目指したいと思います。もちろん県民の皆様もそうですし、我々会員の中でも色々な考えを持つ人がいらっしゃいますし、LGBT一つをとっても、感じ方は多々あると思いますが、少しずつでもそれを理解する努力は必要だと思いますので、そういうことを目指していければと考えております。あと女性活躍推進の一環としての女性役員の登用に関しては、2期目の際に会長指名枠としてお二人の女性の理事に入っていただき、様々な新しいご意見をいただくことが出来ました。この点も引き続き進めていきたいと思っており、既に県医療審議会委員として女性理事に入って頂いており、更に今期は総務担当にも女性理事に参画頂きます。そして県医師会のみならず郡市区等医師会の中でも女性が活躍できる場が拡がるよう、環境整備等も含めて県医師会としても支援していければと思っております。
更にこの基本方針のもと、下記の通り「5つの活動指針ver.3」をお示しさせて頂きます。この5項目についての行動指針を含めた詳しいご説明は別の機会にさせて頂きたいと思いますが、その中でも「『福井県版エンディングノート(つぐみ)』の普及啓発」、全国的に散見される医療従事者に対する殺傷事件やサイバーセキュリティ等への対応を含めた「県警との連携」、勤務医や研修医を含めた「医師会組織強化」、トリプル改定を含めた財源問題に対応するための国会議員を中心とした「医政活動」、コロナ禍を通して重要性をひしひしと感じたメディア等への「広報活動」等は、特に重点的に取り組むべく既に準備を進めております。
いずれにしましても医療界においては、既に約半年後に迫った財源無きトリプル改定、待ったなしの医師の働き方改革、かかりつけ医機能の充実を含めた新たな地域医療構想の体制づくり等、今後も非常に重要な課題が目白押しであります。
幸い現在私は日本医師会理事でもあり、またこれらの議論の場の中心でもある中央社会保険医療協議会(中医協)と社会保障審議会医療保険部会の委員も拝命しておりますので、地方で地域医療を担う福井県医師会員の代表としても、しっかりとこの議論に参加していきたいと決意を新たにしております。
近い将来、明るい“New Normal”時代が必ずやってくる事を信じつつ、福井県医師信用組合、福井県医師協同組合、福井県医師国保組合等の関連団体のご支援ご協力も仰ぎながら、全身全霊会務に邁進していく覚悟です。最後になりましたが、あらためまして会員各位をはじめとする全ての県民の皆様のご健勝ご多幸ご活躍を心よりご祈念申し上げますとともに、今後ともご指導ご鞭撻の程お願い申し上げまして、3期目県医師会会長就任のご挨拶と決意表明とさせて頂きます。
令和5年7月
福井県医師会長
池端 幸彦
【キャッチフレーズ】
Act Now for the Future 〜未来のための今〜
【基本方針】
「県民のいのちと暮らしと尊厳をまもる県医師会」
~ダイバーシティ・マネジメントをめざして~
【5つの活動指針 ver.3】
1.組織の効率化・活性化
2.郡市区医師会との連携強化
3.県及び県内医療関連団体・組織等との連携強化
4.災害対策本部の機能強化
5.広報活動・医政活動の充実
学歴
昭和43年3月 | 福井大学教育学部(現・教育地域科学部)附属小学校 卒業 |
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昭和46年3月 | 同 附属中学校 卒業 |
昭和49年3月 | 慶應義塾高等学校 卒業 |
昭和55年8月 | 慶應義塾大学医学部 卒業 |
学位・免許・資格
昭和55年11月 | 医師免許 |
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昭和61年11月 | 日本外科学会認定医 |
平成02年6月 | 日本消化器外科学会認定医 |
平成04年10月 | 日本医師会認定産業医 |
平成06年1月 | 日本医師会認定健康スポーツ医 |
平成13年3月 | 介護支援専門員 |
職歴
昭和55年9月 | 慶應義塾大学医学部外科学教室 入局 |
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昭和56年5月 | 浜松赤十字病院外科 勤務 |
昭和57年6月 | 国立霞ヶ浦病院外科 勤務 |
昭和58年7月 | 慶應義塾大学病院 一般消化器外科 勤務 |
昭和61年5月 | 池端病院 副院長 |
平成01年4月 | 池端病院 院長(~現在) |
平成09年8月 | 医療法人池慶会 理事長(~現在) |
平成20年5月 | 社会福祉法人雛岳園 理事長(~現在) |
学会並びに社会における活動等
(県内)
平成12年4月 | 福井県国保連合会 介護給付費審査委員会会長(〜令和2年3月31日) |
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平成13年7月 | 福井大学医学部 臨床教授(~現在) |
平成13年10月 | 福井県慢性期医療協会 会長(~現在) |
平成17年4月 | 福井県医師会 介護保険担当理事(~平成27年6月) |
平成17年5月 | 福井県訪問看護推進協議会 会長(~令和元年6月) |
平成20年4月 | 福井県地域包括・在宅介護支援センター協議会 会長(~平成26年5月) |
平成20年5月 | 福井県介護支援専門員協会 会長(~平成27年5月) |
平成23年5月 | 福井県医師会 副会長(~令和元年6月) |
令和元年6月 | 福井県医師会 会長(~現在) |
令和元年6月 | 福井県医療審議会 会長(~現在) |
(県外)
平成23年5月 | 日本医師会 代議員(~令和4年6月) |
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平成24年6月 | 日本慢性期医療協会副会長・事務局長(~現在) |
平成28年8月 | 厚労省 在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ構成員(~令和3年6月) |
平成29年4月 | 厚労省 高齢者医薬品適正使用検討会 構成員(~現在) |
平成29年4月 | 日本病院団体協議会 診療報酬実務者会議 委員長(~令和2年8月) |
平成30年7月 | 社会保障審議会 医療保険部会 構成員(~現在) |
令和02年8月 | 日本医師会 地域包括ケア推進委員会 委員長(~現在) |
令和02年8月 | 中央社会保険医療協議会(中医協)委員(~現在) |
令和04年6月 | 日本医師会 理事(~現在) |