■コレラ
        

          
           

 

コレラ菌は桿状(かんじょう)の形をした菌で、アルカリ性や塩分を好む菌です。そのため河川が湾にそそぐ河口部にすむエビなどの甲殻類のえらや、貝の中などにすみついています。

 

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コレラは、コレラ菌の毒素によりおこります。この菌は「米のとぎ汁様」と称される重症の下痢を引き起こし、脱水症をおこします。適切な輸液が受けられない場合は、体液の10%以上、一升びんで10本以上の水分が失われます。最終的にはショックから昏睡状態に陥り死に至ります。

     コレラ用簡易ベット
(寝たまま便をするための穴があいている。)

     コレラ流行地域への旅行では、氷や生ものは絶対に飲食しないように、また輸入魚介類は十分加熱して食べるようにしましょう。

《感染症まめ知識》
 
コレラには、重症タイプのアジア型と、軽症タイプのエルトール型があります。最近の流行はエルトール型がほとんどです。治療は輸液治療が最も重要です。抗菌薬投与は補助的に行なわれます。コレラ菌の仲間に、食中毒を起こす陽炎ビブリオ菌があります。


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