新年のご挨拶

福井県医師会長  池端幸彦

  新年明けましておめでとうございます。
 一昨年末は、文字通りコロナ対策に明け暮れた
1年であり、お盆もクリスマスもなく、お正月もあってないような新年の幕開けでしたが、昨年末より新型コロナウイルス感染症も、何故かようやく県内はもとより全国的にも落ち着きをみせ始めております。しかし世界的には既に第6波をうかがいそうな新しい変異株も拡がりをみせており、まだまだ不気味な令和4年度の幕開けとなった感があります。まさか二年越しで新興感染症に振り回され続けるとは思いませんでしたが、今やもう世界中が「元の生活」に戻るのではなく、“With COVID-19”に対する“New Normal”を生き抜く覚悟が必要なのかもしれません。
 考えてみると、新型コロナウイルス感染症がこの地球上、更にはこの日本にもたらした影響もまた計り知れないものがあると言えるでしょう。不幸にして生命を奪われてしまった多くの方々やそのご家族、更に今でもその後遺症に悩んでいらっしゃる方々は勿論のことですが、我々医療界に置いても、新型コロナウイルス感染症によって、世界に冠たる国民皆保険制度を有する日本の医療提供体制の脆弱性が露見したことや、大変残念ながらワクチンや治療薬の開発の面でも世界からは一歩も二歩も遅れを取ってしまったこと等、多くの反省点も挙げられます。

 しかしまた出だしこそ遅れをとったワクチン接種ですが、潤沢な供給が保障されてからの一直線上とも言える接種率の伸び方や、マスクや手洗い、ソーシャルディスタンスや換気等の基本的感染対策の徹底ぶり等、日本人の底力をみせつけた事もまた事実であり、この日本人魂でもう一踏ん張りして、今年こそは何とかこの危機を乗り切りたいものです。
 さて本年はまた、2年の1度の診療報酬改定の年でもあります。昨年末に発表された第23回医療経済実態調査では、診療報酬による特例的な対応があったもののコロナ補助金を除く損益率は大きく悪化し、一般病院(国公立を除く)、一般診療所(医療法人)ともコロナ補助金がなければ約半数が赤字となっており、一般病院では、コロナ補助金を含めても赤字病院が4割を超えている実態が報告されました。にもかかわらず財源面からは厳しい改定率が予想されている事は、極めて残念と言わざるを得ません(新年号発刊時には、既に決定されているはずですが…)。
 一方、社会保障審議会医療保険部会で決定された「改定の基本的視点と具体的方向性」では、(
1)新型コロナウイルス感染症等にも対応出来る効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築、(2)安心・安全で質の高い医療の実現のための医師等の働き方改革等の推進の2項目が共に重点課題として示されており、更には地域医療構想や医師偏在対策、外来機能の分化・連携等、課題は山積しております。はからずも私自身、一昨年より中央社会保険医療協議会(中医協)委員を拝命しており、会員各位の声も十分反映しながらこれらの課題に真摯に向き合い、広く国民のため更には会員のための改定を実施すべく議論を重ねていきたいと決意しております。
 最後になりましたが、あらためて県医師会役員一同はもとより、各郡市区医師会、更には医師信用組合、医師協同組合、医師国保組合等の会館内関連団体とも一致協力のもと、決してコロナ禍に挫けることなく県民のため会員のための県医師会活動に邁進する覚悟ですので、本年もまた会員の皆様の絶大なるご支援を心よりお願い申し上げます。そして今年こそは新型コロナウイルス感染症の完全終息が叶い、会員各位が益々ご健勝でご活躍の上、幸多き一年になりますことを心よりご祈念申し上げて、新年のご挨拶とさせて頂きます。


福井県医師会組織について
沿革・会員数
組織・事業内容
執行部紹介
福井県郡市医師会紹介
県内郡市区等医師会紹介
関連団体について
福井県医師信用組合
福井県医師協同組合
福井県医師国民健康保険組合


 


 

一般社団法人 福井県医師会
〒910-0001 福井県福井市大願寺3丁目4番10号
電話  (0776)24-0387(代)
FAX   (0776)21-6641
| 地図を見る |