■肝炎
急性肝炎では、発熱、全身倦怠感、食欲不振、黄疸などの症状がありますが、普通は約1〜2カ月で軽快します。
慢性肝炎は6カ月以上肝臓の炎症が持続し、食欲不振、倦怠感などの症状が徐々に進行します。どちらも血液検査でGOTやGPTという酵素が高い値を示します。診断は血液中のウイルス抗原を検出したり、抗体価を調べることで確実になります。抗体を持たない人が東南アジアやインドなどに旅行する場合に感染しやすいA型とB型肝炎ウイルスに対しては、ワクチンによる予防が可能です。

感染経路としては、A型肝炎ウイルス(HAV)は、水や食物を介して感染。B型感染ウイルス(HBV)やC型感染ウイルス(HCV)は、性行為や麻薬常習者の注射器の共有、母子感染などで感染する場合などがあります。
A型肝炎ウイルス(HAV) B型感染ウイルス(HBV)やC型感染ウイルス(HCV)
大便にもたくさんの
ウイルスが出ます
麻薬常用者などの
注射器の共有による感染
性行為による感染
母子感染
病院での
針刺し事故による感染
定期的な血液検査を行うことや、ワクチンなどでの予防が効果的です。

《感染症まめ知識》
肝炎をおこす原因としてはウイルス、アルコールなどがありますが、その中でも代表的なのはウイルスによる肝炎です。肝炎ウイルスでは、A型・B型・C型・D型・E型肝炎ウイルスの5種類がよく知られていますが、最近はG型ウイルス、GB型ウイルスおよびTTウイルス(TTV)など新たな肝炎ウイルスも発見されています。

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