■アニサキス症
胃のアニサキス症では、胃の不快感に続いて激しい痛みがみられ、腸のアニサキス症では、右または下腹部全体に激しい痛みがみられます。吐き気や嘔吐を伴うこともしばしばあります。
アニサキスはクジラ、イルカなどの海にいる哺乳動物の胃壁に寄生する虫です。この虫の卵は哺乳動物の便とともに海中に排出され、孵化し、幼虫となります。この幼虫はオキアミ類に摂取され、そのオキアミ類をサバ、アジ、イカなどが食べ、さらにこれらの魚類を哺乳動物が食べるとアニサキスの幼虫が胃壁に到達し、そこで成虫になります。
アニサキスの幼虫は、調味料や薬では死にません。
しかし、冷凍なら数分で死滅するので、魚介類は一度火を通すか、冷凍してから食べるようにしましょう。

《感染症まめ知識》
海産魚類を刺身など生で食べた場合、アニサキスの幼虫は通常、胃や腸を素通りして体外に排泄されますが、たまたま幼虫がヒトの胃壁や腸壁に寄生するとさまざまな胃腸症状がおこります。これをアニサキス症といい、治療は胃内眼鏡で幼虫を探して直接摘出します。

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