■腸管出血性大腸菌(O157)感染症
腸管出血性大腸菌(O157)は、酸では死滅せず生存し、少量の菌でも感染する強力な感染症です。菌がつくり出す毒素(ベロ毒素)が臓器を攻撃し、ひどい時には溶血性尿毒性症候群:貧血、血小板の減少、腎不全をおこし、けいれんや意識障害をおこして死亡する場合もあります。
腸管出血性大腸菌(O157)は、菌に汚染された食品や水を口にして感染します。
対策としては、食材の加熱、まな板・ふきんの消毒、トイレ周りの衛生化など。小児や高齢者で下痢がみられ、食中毒が疑われたら、すぐに病院に行きましょう。素人判断で無理に下剤を飲ませてはいけません。血便をともなう下痢が出たら、とくに注意が必要です。

0157家庭での対策について

《感染症まめ知識》
大腸菌はヒトの腸管内に常在し、通常は体に害を及ぼすことはありません。しかし中には、出血性大腸炎や、溶血性尿毒性症候群をおこすものがあり、腸管出血性大腸菌もその一つです。
この菌は1982年アメリカのオレゴン州とミシガン州で発生した生焼きハンバーガーによる食中毒事件の原因菌としてはじめて分離され、腸管出血性大腸菌・O157と任命されました。

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